Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんらん

親鸞

吉川 英治

Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate

Aozora Bunko

九

九

「誰じゃ」姿は見えない。門をへだてて、中にいる侍が訊ねた。

「砂金売りの吉次と申しまする。お館様か、御奥の方に、さよう、おつたえ下されば、おわかりでございまする」

「吉次?」考えているらしい。

雨あがりの草叢に、虫が啼きぬれている。吉次はまた、ことばを足して、

「――奥州の堀井弥太と仰っしゃってくだされば、なおよくお分りのはずでございます。かねがね、ご書状をもちまして」いいかけると、ガタンと、門の扉がうごいて、

「秀衡殿のお身内人、堀井殿か」

「いかにも」

「それは、失礼を――」すぐ開けて、

「拙者はいつも、おん奥の御代筆を申し上げ、また、そちらよりの御書面にも、拙者の宛名で御状をいただいておる、当家の家来、侍従介でござる」と二十歳ぐらいな若侍が顔を出した。

「や、そこもとが」

「初めて、御意を――」二人は、旧知のように、あいさつを交わした。

「おん奥の方には、先つ頃、上洛りました節、清水の御堂のほとりで、よそながらお姿を拝したことがござりますが、お館には、今宵が初めて」

「よう御座った、まず」と、内に入れて、侍従介は、門を閉めた。

壺の内も外も、境のないほど、秋葉が生いしげっている。