Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
「あら」と、女が先に離れた。
この辺の、刀鍛冶の娘でもあろうか、野趣があって、そして美しい小娘だった。
男も、まだ十七、八歳の小冠者だった。秘密のさざめ語を、人に聞かれたかと、恥じるように、顔を赧らめて振りかえった。
「おや……? ……」範宴は、その面ざしを見て、立ちすくんだ。
若者も、びくっと、眼をすえた。
幼い時のうろ覚えだし、十年も見ないので、明確に、誰ということも思いだせないのであったが、骨肉の血液が互いに心で呼び合った。
ややしばらく、じっと見ているうちに、どっちからともなく、
「朝麿ではないか」
「兄上か」寄ったかと思うと、ふたつの影が、一つもののように、抱きあって、朝麿は範宴の胸に、顔を押しあてて泣いていた。
「――会いとうございました。毎日、兄君の植髪の御像をながめてばかりおりました」
「大きゅうなられたのう」
「兄上も」
「このとおり、健やかじゃ。――して、お養父君も、その後は、お達者か」
「まだ、お会い遊ばさないのでございますか」
「たった今、垣の外から、お姿は拝んできたが」
「では、案内いたしましょう。養父も、びっくりするでしょう」
「いや、こんどは、お目にかかるまい」