Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
三
川狩をしていた漁夫であろうか、一人はもうざぶざぶと水音を立てている。川瀬は早いが、幸いに浅い淵に近かったので苦もなく救われたのであろう、間もなく、藻のようになった女の体をかかえて岸へ上がってきた。
「ありがとう」範宴は、礼をいいながら、男たちの側へ寄って行った。
女は、まだ気を失っていないとみえて、おいおいと泣きぬいていた。両手を顔にあてながら身を揺すぶって泣くのである。
「どう召された」性善坊が、やさしく、女の肩に手をやってさし覗くと、女は不意に、
「知らないっ、知らないっ」その手を振り払って、まっしぐらに、宇治の橋を、町の方へ、駈けだして行くのであった。
「あっ、また飛びこむぞ」男たちは、そういったが、もう追おうともしないで、舌打ちをして見送っていた。
三
捨てておけない気がした。範宴は駈けだしつつ、
「ああ迅い足だ、性善坊、おもと一人で、先に走ってあの女を抱きとめい」
「かしこまりました」性善坊は、宙をとんで、もう宇治の大橋を彼方へ越えてしまった女の影を追って行った。
案のじょう、女は橋をこえると、町の方へは向わないで、河原にそって上流の方へ盲目的に取り乱したまま駈けてゆく。