Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
早瀬へ、渡船はかかっていた。下流へ下流へと、船脚はながされてゆく。箭四郎のすがたが、次第に小さくなった。若い男女のすがたに、朝の陽が、かがやいていた。
(あの夫婦に、永く、幸福のあるように)と範宴は、仏陀に祈った。
河原には、小禽が、いっぱいに啼いている。何ともいえない、清々しさが、皮膚から沁み入るように覚えた。
だが、範宴は、山を下りてから事ごとに何か考えさせられた。それは、
(学問のための学問ではだめだ)ということだった。
自分が、きょうまで、霧の中に、刻苦してきたことは、要するに、それである。人間を対象としない、古典との燃焼であった。いくら、研学に身を燃焼しても、それがただ、古典に通ずるだけのものであったら、意味はとぼしい。
生きた学問とはいえない。衆生に向って、心の燈火となる学問ではない。自分の胸に、明りを点けて、自分のみ明るしとする狭いものでしかない。
人間を知ろう。社会を知ろう。――それこそ生々しい大蔵の教典だ。それによってこそ、初めて、真の仏教がものをいう。
河内路の白い土を踏みながら、範宴は、そんなことを考えたりした。
(しかし? ……)とまた、惑いもするのだった。