Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
武士となって、野望のつるぎを風雲に賭しても目的はとげられるのだ。けれど仏徒の大願というものは、そんな小我を目的とするものではないはずである。衆生の救船ともなり、人生を遍照する月ともならなければならない。飄々と、雲水にあそび、悠々と春日をたのしむ隠遁僧のような境界を自分はのぞんでいるのではなかった。この骨肉争闘の世をながめていても立ってもいられない心地がするのだ。身をもって、この悪濁の世にうめいている人々を両の手に、しっかとかかえ入れてやりたいという気持にすらなって、そのたくましい広大な自分をつくり上げたいがために、かく学び、かく苦しみ、かく悶えているのではないか。
その大願にもえている身にとっては、ひとりの野盗に対して怒る気も出ないかわりに、ひとりの弟をすら救えない自分を、範宴は、慟哭して嘆かずにいられなかった。
けれど、さらに深く考えてみると、弟はおろか、わが身というものさえ、まだ自分で解決もできていなければ、救えてもいないのである。
(なんで、人の身をや)と範宴は、痛切に今思うのだった。
自分をすら解決し得ない自分に、自分以外の人間の解決ができうるはずはない。