Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
――平安期のころ、仏徒の腐敗をなげいて、伝教大師が、叡山をひらき、あまねく日本の仏界を照らした光は、もう油がきれてしまったのでしょう、現状の叡山は、もはや、われわれ真摯な者にとっては、立命の地でもなし、安住の域でもありません。……で、私は、迷って出たのです、しかし実社会に接して、なまなましい現世の人たちの苦悩を見、逸楽を見、流々転相のあわただしさをあまりに見てしまうと、私のような智の浅いものには、魚に河が見えないように、よけいに昏迷してしまうばかりで、ほとんど、何ひとつ、把握することができないのであります」
法印の声は、切実であった。
若い範宴は、感激のあまり、思わず彼の手をにぎって、
「聖覚どの。あなたがいわるることは、いちいち私のいおうとするところと同じです。二人は、ほとんど同じ苦悶をもって同じ迷路へさまよってきたのでした」
「七日七夜の参籠で、範宴どのは、何を得られたか」
「何も得ません。飢えと、寒気とだけでした。――ただ、あなたという同じ悩みをもつ人を見出して、こういう苦悶は自分のみではないということを知りました」
「私はそれが唯一のみやげです。