Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
堂塔伽藍はぬけ殻であった。ひとり叡山ばかりがそうなのではない。
求めるものが求められないのみか、さまよえば、さまようほど、彼の迷いは濃くなってゆく。
二年あまりを、そうして、あてどもなく疲れあるいた彼は、ふいに、青蓮院の門前にあらわれて、取次を乞い、見ちがえるほど痩せおとろえた姿で、師の慈円僧正のまえに坐った。慈円は、ひと目みて、
「どうしたのじゃ」と驚いていった。
範宴は、あまりに消息を欠いたので、師の房を見舞うつもりで来たのであるが、その師の房から、先に見舞われて、
「べつに、自分は変りもございませんが……」と答えた。
彼のつよい精神力は、ほんとに、自分の肉体のおとろえなどは、少しも気にしていなかったのである。
「かわりはないというが、ひどく痩せたではないか。第一、顔の色つやも悪い。叡山にいたころのおもかげもありはしない」
「そう仰せられてみますと、あるいはそうかもしれませぬ。どうか、一日もはやく生涯の――いや人類永劫の安心と大決定をつかみたいと念願して、すこし修行に肉体をいじめましたから……」
「そうであろう」慈円は、傷ましいものを見るように、彼の尖った肩や膝ぶしを見まもるのであった。