Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
四
聞き終ってほっと息をつぎながら、僧正の面が、どんな不快な気しきに塗られているであろうと、そっとみると、慈円は、
「ははは」と、肩をゆすぶって笑うのであった。
四
「妙な批判もあるものじゃな、そんなことを沙汰しおるか」
「中には、僧正を、流罪にせよなどと、役所の門へ、投文した者もあるそうです」
「おどろき入った世の中じゃ、それでは人生に詩も持てぬ。文学も持てぬ。僧が、恋歌を作って悪いなら、万葉や古今のうちの作家をも、破戒僧というて責めずばなるまい」
「しかし、僧正の時雨のお歌は、あまりにも、実感がありすぎるというて、女を知らぬ不犯の僧に、かような和歌の作れるわけはないというのです」
「それがおかしい。僧とても、人間じゃ、美しい女性を見れば美しいと思うし、真葛ヶ原の風でのうても、血もさわげば、恋も思う。まして、詩や歌の尊さは、人間としての真を吐露するところにあって、嘘や、虚飾では、生命がない」そういって、慈円は、世評の愚を一笑に附したが、客の朝臣は、
「しかし、衆口金を熔かすということもありますから、ご注意に如くはありません」
「いわしておくがよい。自体、僧じゃから女には目をふさげ、酒杯の側にも坐るなとは、誰がいうた。