Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
歌は、お分りにならぬでしょう」
「いや」範綱は、首を振った。山萩の寝ている野道を曲がって、狭いだらだら坂を先へ降りて行きながら、
「そうでないな」
「そうでしょうか」
「世間のことも、実によう知っておられる。武家達の行動、政治の策謀、院のお出入り。……ただ、知らん顔をしておられるだけじゃよ」
「ははあ」
「知った顔をせぬことが、今の時代には、賢明な、君子の常識じゃ。まして、名門のお子はな」
「なるほど」
「こんな事も仰せられた。――この坂下の吉水に、ちかごろ、年四十ばかりの、ひょんな法師があらわれて、念仏専修の教義をしきりと説いておるが、凡僧の月並とちがって、たまたま、よいことばがある。――参内のせつ、おうわさ申し上げたことじゃったが、武権争奪、武門栄華の世ばかりつづいて、助からぬは民衆ばかり。その民衆のために、民衆の魂を、心から、救うてとらすような聖が出てくれねば、仏法の浄土とは、嘘になる。――そうした折に、吉水の法師は、待たれていた旱の雲じゃ。帰途に、一度、そちたちも聴聞してゆくがよいと、いわれたがの」
「ほ。……そんなことまで、ご存じでしたか」
「おしのびで、御門を、お出ましになるのであろう」