Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
牡丹の使い
一
牡丹の使い
一
冷たい円座に身を置き、冷たい机に肱をよせ、範宴は何かの筆を執っていたが、その筆を投げるようにおいて眼をとじた。眉に一すじの針が立つ。
かろく頭をふりうごかしている。そしてまた、筆を執った。
「…………」無我になろうとする、無想の境にはいろうとする、写経の一字一字に、筆の穂に、あらゆる精をこめて――雑念を捨てて――
怖いような横顔であった。筆の軸にかけている指の節々にさえ異様なものがこもっているように見える。
「……少僧都様、御門跡様、御写経中を恐れいりまするがちと申し上げまする」
坊官の木幡民部である。最前からうしろに両手をつかえて機を見ているのであったが、容易に範宴の耳に入らないらしい。――で、少しすり寄って畏る畏るこういうと、
「何か」と、範宴は顔を向けた。きっと射るような眼を向けた。
「お客殿に、あまり永うお待たせ申し上げておりますが」
「誰が?」と、考えるようにいう。
これには民部もちょっと意外な面指を示した。花山院の公達がいつぞやの僧正の件についての礼に来ているということはもう半刻も前に取次いであるのに――と思ったが、もういちど改めて、