Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
三
姫のひとみは眩ゆいものの前にあるように、絶えず俯向きがちであるし、範宴も口かずをきかないのである。ことに、かんじんなその主客が酒をたしなまないので、禅閤は興のしらけるのを懼れるように、しきりとみずから銚子を取って杯に心づかいをしたり、世事のうわさなどを持ち出して話題を賑わせたりしていたが、やがて側の者に何かささやくと、その家臣は館のどこからか一人の盲目法師の手をひいて、この客殿へ伴ってきた。
「これは近ごろ名高い琵琶の上手で、峰阿弥という法師です」禅閤が、紹介わせると、盲目の峰阿弥法師は与えられた席へ琵琶をかかえてもの静かに坐って、黙然と頭を下げた。
もう五十に近かろう、長い眉毛には霜がみえる、深く窪んでいる眼は針のように細い線があるだけだった。盲人の癖として、首をすこし傾げたまま、客の容子や灯りの数や自分の位置がどういう辺りにあるかを勘で見ているらしい面持ちであった。
「峰阿弥といわれるか」僧正がたずねると、
「はい」声のほうへ頭を向けて、
「かような貴人のおん前に召されまして、冥加のいたりでございます」
「酒はのむか」
「むかしは過ごしましたが、このごろは……」