Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
「こんな安物は捨ててゆけ」とか、これは値になるとか、道具市のがらくたでも選り分けるように分けているうちに、慾に止まりのない手下どもは、土足の痕をみだして方丈の奥にまで踏み入り、なおどこかに、黄金でもないかと探し廻って行く。
すると、ようやくこの物音を知った庫裡の堂衆が二人ほど、紙燈心を持って駈けてきたが、賊の影を出合いがしらに見て、
「わっ!」と腰をついて転んだ。
「騒ぐと、ぶった斬るぞっ」刃を突きつけると、堂衆の一人は盲目的に賊へ武者ぶりついた。他の賊があわててその堂衆の脾腹へ横から刃を突っこんだので、異様な呻きをあげて床へ仆れた。
「畜生っ」と血刀をさげて、賊は逃げてゆくもう一人の堂衆を追い込んで行った。堂衆は驚きのあまり、何か意味のわからない絶叫を口つづけに喚きながら暗い一室へ転げ込んだ。
「野郎っ」と賊はすぐ追いつめて、隅へ屈まった堂衆の襟がみをつかんだが、その時、漆のような室内のどこかで、
「誰だ――」といった者がある。
おや? と振りかえって闇を透かすように眼をかがやかせたのである。見ると、床の上に円座を敷いて、あたかも一体の坐像でもすえてあるかのように一人の僧が坐っていた。