Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
がらっと鳴る水音は、絶えず足もとを脅かすのである。尋有はともすると見失いそうな先の影に、喘ぎをつづけていた。
草鞋の緒でも切れたのではないか。範宴は浄土寺の聚落あたりで、辻堂の縁にしばらく休んでいた。禅林寺の鐘の音が、吠える風の中で二更を告げた。
「この道を? ……いったいどこへ行こうとなさるのか」いよいよ、兄の心が尋有には謎だった。粟田山の麓から、長い雑木林の道がつづく。水をもった落葉を踏んで飽かずに歩むと、やがて、黒い町の屋根が見え、三条磧の水明りが眼の前にあった。
河はもうこの一降りで水量を増していた。濁流が瀬の石に白い泡を噛んでいる。五条まで下がれば橋はあるが、範宴は浅瀬を見まわしてそこを渡渉て行こうとする。
「あ、あぶない」尋有は、自分の危険をわすれて、河の中ほどまで進んだ兄の姿に気をとられていた。法衣のすそを高くからげても、飛沫は腰までかかるのだった。それに、この水の冷たさはどうだろう。尋有は歯をかみしばって、一歩一歩、河底の石を足の爪先で探りながら歩いた。
と――砂利でも掘ったような深い底へ、尋有は足を踏み入れた。あっ――と思った時はもう迅い水が喉首を切って流れていた。