Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
それが、禅閤はおそろしかった。
願わくは、姫が、何らかの動機でこのままその心のものを解消するか、忘れてくれれば――と祈るのであったが、事実は、反対に、日と共に、姫の胸には、その病源がふかく蝕い入ってゆくように思われる。
(何としたものか)ほとほと困りぬいているらしい父の禅閤の眉はまた、子をもつ親の苦悩を深刻に抉っていた。と――次の室で、侍女が、
「万野さま。ちょっと……」と、小声で呼ぶ。
「お医士ですか」
「いえ、お文状でございます――禅閤様へ」
「わしへ」禅閤はふりむいて、この別荘へ、誰からの使いであろうかと疑った。
「そちらへ置け。今参る」そういって、姫の枕元からそっと起ちあがった。姫は、かすかに、弱い眸で、その父の顔いろを枕からじっと仰いでいた。
七
「文状は、どこへ置いてじゃ」東園の広い梅林に向っている一室へ出てきて、月輪殿は、眼をしばたたいた。多分、暗い病室から急に明るい陽ざしの前へ出てきたので、まばゆさに、眸がじらっとしたのであろう。
表の召使が、縁の端から、
「おてがみは、お館様へ、直々におわたし申しあげたいと、使いの者は申しおりまする」
「どこからじゃ、その使いとは」