Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
三
それも、熊谷蓮生房のとは、すこし趣がちがうが」
「では、浪人して、何で衣食しているのか」
「大きな声ではいえぬが盗賊だ」
「え?」弁円は、四郎の大胆なことばに呆れたが、四郎は、泥棒を人間の正業と信じているので、憚るいろもなく、
「戦を起せば、人馬を殺し、平時になれば、権謀と術策を是れ事とする武家よりは、まだ、盗人のほうがましじゃないか。人間を殺したり泣かせる数からいっても、比較にならない。ことに、俺などは、涙もろい質だから、貧乏な人はいじめない。――例えば権門とかまた、綽空のような、天人倶に許さざる虚偽の人間に対っては、生命がけで、ぶつかってゆく」
「それで貴公は、俺に酒杯をくれたわけだな」
「どうやら、おぬしも、綽空の行為には反感を持っているらしいから、昵懇を求めたのだが」
「善いかな」弁円は、すっかりよい機嫌になって、そこの酒代も、自分で払って、
「出かけようぞ」
「遊里にか」
「いや、女になど触れたら、十数年、諸国の深岳で苦行した通力を一夜にして失ってしまう」
「あはははは、いかにも、おぬしは、修験者だったな、久米仙人のように、地へ堕ちては、困りものだ」
「ここで、酒をもらって行って、どこか、幽寂な所で大いに語ろうではないか」