Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
六
汝ノ命根応ニ十余歳ナルベシ
命終ッテ速ニ清浄土ニ入レ善信善信、真ノ菩薩
「おそろしいほどです。御告命に違いなく、範宴は死し、綽空は生れました。ああ、綽空はここに生れました。ひとえに、太子の御宏徳によるところです。今の私の法悦は喩るものもありません。そうです、お礼に参籠した今宵を記念として、ただ今からは御告命の二字をいただいて、善信と名乗ることにいたしまする。善信、善信、今の私はさながらその二字の相に現わされておりまする」自分の歓びは、太子の歓びである。綽空は、信じて疑わない。
その歓びを、どういい現わそうか。
更けてゆく夜も忘れて、綽空は――いや善信は、紙燭を寄せて、懐紙に何やら筆を染めていたが、やがて、わきあがる感激を抑えようもなく、無我の声を、朗々と張りあげて、みずから書いた懐紙の讃歌を唱えていた。
仏智不思議の誓願を
聖徳皇のめぐみにて
正定衆に帰入して
補処の弥勒の如くなり
救世観音大菩薩
聖徳皇と示現して
多々の如く捨てずして
阿摩の如くに添い給う
……みりっと、後ろの床が歯ぎしりをするようにその時鳴った。
身軽に扮装った播磨房弁円が、研ぎすました戒刀を背なかに潜め、軒から洩れる月影を避けながら、そろ、そろ、と這いすすんでくるのであった。