Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんらん

親鸞

吉川 英治

Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate

Aozora Bunko

「そして、何を得たかの」

「何も得ません。初めの半年ぐらいは、これこそ、念仏行者の道ぞと、澄みきった心のつもりで、行い澄ましておりました、一年経つと、なにかこう自分が空虚のような不安を感じて参りました、二年目には、心がみだれ出し、自然の中の寂寞さが常に心をおびやかしてきました。――一念無想に念仏をとなえているつもりなのが明けても暮れても、都のことを考え出してきたのです。眼をとじれば、京の灯が見え、耳をふさげば人間の恋しい声が聞えてくる。そして、夢にまで、人間と交わったり、都へ帰った夢ばかり見るのです。……堪まらないほど、私は、口がききたくなりました。――旧友と、世間の人と、信徒たちと。――すべて初めに厭って逃げてきた者がやたら無性に慕わしくなり、矢もたても無くなったので、実は、お恥かしい限りですが、夜逃げのように、笠置の奥から舞い戻ってきたのでございまする」心蓮の正直な体験の告白を、一同は、興味ふかく、また教えられるところもあって、和やかに聞き入っていた。

法然は、もうすっかり、常の柔和な眼ざしに返っていて、

「それが分ったのはなによりじゃった。したが、三年はちと長うあったの……」