Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
四
と、微笑すらたたえて、さて、侍坐の一同をかえりみて、
「今朝はまことに、おもとたちにとって、尊い朝でおざったの。法然にとっても、うれしい朝――」と、くりかえしていった。
四
往生。それは、往きて生きん、ということであるとここでは説くのだ。安楽に眼をねむったり、寂滅の終りを意味する言葉ではない。――往きて生きん――往きて生きん――人生へのあくまで高い希望とつよい向上の欲求。それを往生とはいうのである。
吉水の講堂では、きょうも厳粛のうちに和やかな半日が禅房のひさしに過ぎた。講義をしている上人の声は、粛としている奥の方から表まで聞えてくるのだった。あれが齢もすでに七十を出ている老人の声だろうかと疑われるくらいであった。
しかし、その老人から先になって、この浄土門では、
(往きて生きん)の理想に専念しているのだ。
また、そのため、
(人間いかに生くべきか)の真理を求め探してやまないのであった。
上人はそれに対して、
(ただ念仏。一にも二にもただ念仏を)と、教えた。ただ念仏のみが、最も前のふたつの人生の欲求を充たしてくれるものだと説いた。
戸外の春も、一日ごとに、菁々と大地から萌えていたが、この吉水の禅房も、若草のようだった。