Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
ただ、どうかして、その悪性が善性となる転機に恵まれることを願いもし、信じもするものである。
こう善信は話した。
およそ人間の中に真の悪人などはいない。善人の心にも悪があり、悪人の心にも善はある。悪人と呼ばれるものは、社会からそういうけじめをつけられて、自身も、悪を嘆美したり、悪人がったり、悪を最善のものと思ったりしているが、その実、彼も人間の子であるからには、常々、風の音にも臆したり、末のはかなさを考えたりして、必ず、われわれのような生きがいは感じることができないでいるのだ。世の中に、不愍な人間という者をかぞえれば、路傍の物乞いより、明日の知れない瀕死の病人より、そういう日常坐臥に、人間のくせに、人間に対して負け目をもっている悪人である。
善信の話は、それから先も尽きなかった。人々は、まったく、水の底のようにひっそりして、皆顔をうなだれて聞き入っていた。――すると、誰ともなく、聴衆の真ん中で、不意にオイオイと声をあげて泣き出した者がある。
「おや? ……」初めて、人々は、眼をそこにあつめた。見ると、天下の大盗といわれる天城四郎ではないか。四郎は、子供のように泣きやまなかった。