Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
十
すると上人は、叱るように、
「そんな心はそちの習性じゃぞ、直さねばいかぬ、何のけじめを」と、いった。
「はっ……」すすんで後を閉て切ると、上人のまわりをつつんでいる暖かな部屋の空気が、やがて、四郎の凍えている心をもつつんだ。
「善信から今、そちのこと、つぶさに聞いて、近ごろのうれしいことの一つに思うているのじゃ。弥陀超世の悲願というのは、たとえ十悪の凡夫でも、五逆の大罪を犯した者でも、ひとしく慈悲をもって見、飽くまで救ってとらそうという御誓願を申したのじゃ。それゆえ、どんな悪逆無道の者とても、如来の悲願を信じて、一念に称名念仏すれば、必ず、生れかわることができる」四郎は、眼をうるませながら、思わず身をのり出して、
「――生れかわる。……オオ私でも、生れ変ることができましょうか」
「見よ」上人の強いことばだった。そして指を、そういう四郎の胸にさし向けていった。
「そちはもうすでに生れかわっているではないか。邪智、妄念の鬼になって、この縁下に、寸前の闇を、猜疑の眼にさぐりながら、息をころしていた時の自分と、こうして、明らかに、安らかに、われらと語り合っている自分と、思い較べてみたら分るであろうが」