Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
三
同門の友との往来も厳禁されている。
それでも不平はいえないことだった。遠国へ流されるまでのたとえ幾日でも、こうして、妻と共に、子と共に、起居がゆるされることになったのは、その裏面に、舅の月輪禅閤のどれほどな運動があったか知れないのである。あのよき舅御がなかったら、こういう寛大があるどころではない、善信の死刑は、念仏停止の宣下があった後、三日を待たずに行われていたにちがいない。その禅閤も、やがて、岡崎を訪れ、
「わしはもう嘆かぬ」といった。
善信は、師の法然上人の消息を舅から聞いて、
「さもござりましょう」と、安堵の笑みを泛かべ、
「ただ、このうえの慾には、上人御流罪のまえに――またこの善信が配所に下される前に――たった一目でもお目にかかってゆきたいことです」禅閤は、もっともであるとうなずいて、それもなんとか、朝廷の人々にすがって、願ってみようといった。また、玉日と房丸のことについては、
「わしが護っておる、必ず、案じぬがよかろうぞ」といいたした。善信は、何事も、吹く風にまかせて咲いている蘭のように、
「どうぞ」と、いうだけであった。なんの苦悩らしいものもその眉には見あたらない。