Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
二
で――儂が所領する讃岐国小松の庄へお預かり申したいと、実は、先ごろから朝廷へお願いいたしてあったところ、昨夜おそく、評定所において、願いの儀ゆるすとの御決定がござった。――それゆえ今暁の土佐下向は、讃岐へ変更と相成るによって、篤おふくみくださるように」武次は驚いた。
「はっ、承知仕りました」とはいったものの、
(そういう寛大な変更がどうしてあったか?)と、疑問を挟まざるを得ない。
老公が、そこを去って、小御堂のほうへ足を運ばれてゆくのを送ってから、すぐ奉行の周防元国と相談して、
(讃岐中郡へ、変更の儀は、実か訛伝か)と、官へ急使をやって、問いあわせた。
それと入れちがって、評定所から、騎馬の使者が飛んできた。にわかに、上人の配所先が、変更されたのは事実だった。
うっすらと、そのころ、朝の薄浅黄いろの空が、花の梢に明るみ初めていて、そこらの篝火は、燃えつきている――
寅の刻。まさに定めの時刻だった。
法然上人は、静かに、法衣を脱いで、俗服の粗末な直垂衣に着かえていた。十幾歳のころから今日まで、およそ六十年のあいだ、一日とて、脱いだことのない法衣を官へ返上して、名も、今朝からは俗名の藤井元彦と呼ばれることになったのである。