Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
「む」
「夫婦の申すには、聖人様に、念仏の道を諭していただいてからは夫婦の気持もすっかり変り、家は明るく、良人はよく稼ぎ、病人も絶えて、近ごろは、以前のわが家は、夢のようにおぼえ、朝夕、聖人様のお徳を拝んでおりまする。――かようにうれし涙を流して申しまして、こんな有難い教えを、どうかして、近所の衆、近郷の衆へも知らせてやりたい、どうか、私に今日は善根をさせてやると思し召して、説教をしてくれとせがみまするゆえ、かねて、お代官から布教はならぬと禁じられてはおりましたが、あまり熱心に乞われるままに、その家の近くの松の木の幹へ、所持の御名号を掛けて、拙ない法話を初めたのでございました」
二
生信房の真面目な話しぶりに、人々も耳をすましていた。
そして、彼の前身を知っているほどの者はみな、心のうちで、
(この御房も、よくここまで変ったもの――)と密かに感じ入っていた。
生信房は、そっと、師の面へ眸を上げ、
「そうして、私が、説教をしておりますと、その説教なかばのことでございます」と、話しつづけてゆく。
「折わるく、もう稲田の検見でもございますまいが、代官の萩原年景が、七、八名の家来をつれて、そこの並木へさしかかって参りました。