Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
「そればかりではございませぬ……。まだまだ、お耳を驚かさねばならぬことが」もうこれ以上の悲しいことを、親鸞へ告げるにたえない気がしてきたのである。万野は、怺えていたものを瞼からはふりこぼして、袖口を眼に押し当てた。
「この上にも、親鸞が驚くこととは何か。……はて心がかりな。万野、まだ誰ぞその上に凶事でもあるか」
「は、はい……」
「親鸞は何事にも驚かぬことを誓う。気づかいなくいうがよい」
「裏方の玉日様が……」
「玉日が?」
「お師さまの御流謫の後は、和子様を護り育てて、青蓮院の叔父君から名も範意といただき、行く末は、お父君にもまさる名僧になれかしと、ひたすら和子様のお育ちをたのしみながら、また朝夕に、越後の空を恋い慕うておいでなされましたが、月輪様の御逝去やら、何かの憂さが、積もられて、この冬、ふとお風邪をひいたが因となって――」そこまでいうと、万野はわっと、顔に袂をおおって咽び泣いてしまった。
五
……よよと嗚咽に沈んだまま、万野は後のことばを継げないのである。
親鸞の面は、はっと驚きを湛えて白く冴えてしまう。
また――次の部屋にひかえて、都の消息はいかにと耳を澄ましていた弟子の人々も、氷室のようにしいんとしてしまった。