Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
三
「なんじゃ」
「なんの音……」同房の友だちも、みな、夜具を刎ねて、突っ立っていた。
「……あっ、石念」人々は、板敷のうえに雑巾のように平べたくなっている彼のすがたを見つけて、太いため息をつくばかりだった。
「こ、こ、この馬鹿めっ」いちばん年上の教順が、怒りに引ッつれた顔をふるわせて、思わず拳をかためながら彼の側へせまった。
「呆れ果てた外道。……ウム、外道の夢、醒ましてやる」むずと、襟がみを引き寄せて、打ちすえようとすると、なに思ったか、石念はパッと起って、厨の戸を突き破るようにして外へ逃げ出してしまった。
――その朝は、朝から重い不愉快なものに人々の顔色はつつまれていた。鈴野はなにもいわなかった。けれど、その小さな胸が、不気味な、なんともいえない恐怖と懐疑につつまれていることは、誰の眼にも読めた。
「……申し上げてしまおうか」
「いや、こんなことを、どうして、師の房のお耳に入れられるものか」
「どこへ行ったか、あいつめ」
「抛っておいたがよい」人々は、囁き合っていたが、やがてさり気なく、それぞれ日課としている托鉢へ出て行った。
親鸞は、きょうは奥に籠っていた。