Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
田歌篇
第二の華燭
一
一粒の胚子がこぼれる所、やがて青々と仏果の穂がそよいでゆく。
花はまたおのずからな花粉を風に撒き、自然の命によって自然に行為する昆虫がまた実をみのらせ胚子を落とし花のかずを地に満たした。
山水の因果、四季の因果、人のあいだの因果も、かわることはない。
ひとりの聖者が、そこの土に住む力、それは偉大な精神の花の繁殖だった。
親鸞が、北信濃の山村に移ってから、わずか二年とたたないうちがそうであった。角間から佐久郡一帯は、田に野に山に、生きるをたのしむ人の顔がどこにも見られた。人生を生々とたのしむ歌、それが念仏の声になってながれ、菜畑、麦の色、馬小屋そのものが浄土に見えた。
――親鸞さん。といえば、木樵も、百姓も、市人も、自分たちの慈父のようになつかしみ、彼のすがたは、地上の太陽のように、行く所にあたたかに、そして親しみと尊敬をもって迎えられた。
その地方の布教に、努力の効を見た親鸞は、暇があると、山をこえて、越後や越中の国々へもよく杖をひいた。――また、碓氷を越えて、上野や下野の方面へもたびたび出た。
「しばらくでございました」突然、二年ぶりに、こういって角間の草庵へ顔を見せたのは、故郷の天城へもどっていた生信房であった。