Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
「一の手は、甲賀坊。――二の手、三の手、みな抜かるな」と、下知した。
鹿を狩るように、一同はわらわらと駆け散って、おのおのの部署へ身をひそめた。
筑波の野武士たちは、三の手になって、野刀を閃めかせながら、岩蔭や、草むらへ、影をかくした。
――かくて親鸞の来るのを、今か今かと板敷山の草も木もみな息をひそめたかのように、しいんとして待ち構えていた。
四
「――すわっ」弁円は、肋骨の下に、どっと血を搏たせた。
彼は、第一の柵、第二の柵、第三の柵とこの峠の通路をかためて潜伏している人々とはべつに、小高い所の岩に乗って、背よりも高い熊笹をかぶっていた。
そして、鉄弦のような半弓に、毒矢をつがえ、鏃下がりに、峠道を狙いすましているのである。
(今日こそ)心のうちに、孔雀明王の加護を念じて――
がさっ……と今、音がしたのである。
曲がり道になっている熊笹の崖と林の間に。
だが、それは、親鸞の来た跫音ではなかった。
虹のように尾を曳いて、笹むらから雉子が飛び立って行ったのであった。
ざ、ざ、ざ……とどこかで土の音が静寂を破る。
(今度こそは)弓をしぼっていると、その音は後ろの谷間へいつまでも続いている。