Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
所々の水田も、地味が悪くて、稲は痩せていた。
人の数より、はるかに、五位鷺のほうが多かった。灰色の害鳥の群れが、わが物顔に、田を占め、木の実を盗んで、人間は鷺以下の者としか見えないほど、文化の光がなかったのである。
下野国芳賀郡の大内の庄とよぶ土地だった、そこの柳島に、一粒の念仏の胚子がこぼれたのは、二、三年前だった。
事はその胚子の結果である。
このころになって、常陸とか下総、上総あたりの念仏の諸弟子が踵をついで、この柳島の地方へ入ってきた、遠くは、陸奥の果てからさえ、聞き伝えた門徒が来て、旅装をここで解いている。
小屋が建った。人々は、そこへかたまって、炊事の煙を立て初めた。
土工や石工が集まってくる。大規模な土木が興ろうとするものらしい。たちまち、附近の山が削り取られて、赤土の肌が南向きにだんだんに拡がってゆく。
蟻が物を運ぶように、山を切り崩した土は、柳島の芦の沼地を埋めて行った。原始人の踏んだままにひとしかった茅原や青い沼水が、またたくうちに新しい土で盛り上げられて行った。その地盤の上に十二間四面の伽藍の礎が、さながら地軸のように置かれた、堂塔内陣の墨縄は張りめぐらされ、やがて檜の太柱と、巨大な棟木と、荘重な梁も組まれた。