Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
……その御仏の力をお借りなされたがよい、なんぞ、胸に思いあまることがあれば、縋って、申されたほうがよいのです」
「お上人様……思いあまることというのは、信心をすれば、良人の心に逆らい、信心を離れては、今の私は、生きているそらもないのでございます。この女の道と、人の道とを、一体、どうしたらよいのでございましょうか、それをお教えなされて下さいませ」
三
「そうか、よう解った」親鸞はうなずいて――
「良人の心に添おうと思えば弥陀に離れ、弥陀のおむねにすがろうとすれば良人の意志に反く。――そういわれるのじゃの」
「はい……」お吉は、頬に涙をまろばせながら、膝を、前へにじり寄せた。
「お上人様」
「おう」
「それはもう言葉にもいいようのない辛いことや恐ろしいことが、朝にも夜にも、この身を責め折檻するのでござります。……おねがいでござります、お上人さま、どうぞ私を、尼にして、お弟子の末の末にでも、おつかいなされて下されませ」
「尼に?」眼をみはって、泣きおののく黒髪を見つめながら、
「まて。……尼になられたらどうなると思うておざるか」
「この黒髪さえ断りましたならば、あの恐ろしい良人も、眼をさまして、心を持ち直してくれるかもわかりません。