Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんらん

親鸞

吉川 英治

Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate

Aozora Bunko

ふと、生きる力を失った時、ただ独りで泣きじゃくりたいような時――お吉は名号を取り出して、それに掌をあわせる。すると、親鸞の慈悲にみちあふれた姿に会う心地がしてくる。親鸞の手にみちびかれて、無碍光如来の膝近くへ連れてゆかれる心地がしてくる……。

今も、彼女はそれを思い出したのである。すると、かたと、奥の暗い中で物音がした。ハッと心の騒ぐほうが先で、お吉は、あわてて名号を巻きもせずに懐中へかくした。

「何を見ていたっ」良人の平次郎が、いつの間にか恐ろしい形相を持って、後ろに立っていたのだった。

三

「出せっ、今見ていた物を見せろっ」良人の怒号を浴びて、お吉は、紙のように白くなってしまった。

「かくしたなっ、何か」

「いえ……」

「なんだっ、今、ふところへ隠した物はなんだ」

「……これは」胸を抱いて、彼女はすくんでしまった。

「ははあ、読めた。どうもこのごろ、おれに向って、てめえの様子がやさしすぎるわいと変に思っていたが、さては、隠し男をこしらえていやがるな」

「めっ、滅相もない」

「うんにゃ、そうに違いねえ。うぬが隠し男を持っているので、なんとか、おれを甘口に乗せて誤魔化していやがるのだろう」