Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんらん

親鸞

吉川 英治

Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate

Aozora Bunko

大地は、冷々していた。――ひょっとして、自分のあるいている今の闇が――あの世という冥途の国ではあるまいかなどと思った。ぞっとして、うしろを振返った――亡妻の顔が――血みどろになって――黒髪のあいだから怨みの眼を光らせて、自分の襟元へ、青白い手を伸ばしてきそうな心地が幾度もするのだった。

「そ、そうだ」柳島の境内を出ると、彼は、後も見ずに韋駄天のように駈け出した。息をきって、わが家へ帰ってきた。裏の蓮根の古沼へ、どぼっと手斧を投げすててしまった。そして、家の中へ入るなり戸をかたく閉め込んで、頭から夜具をかぶって眠ろうと努めた。

柳と菩提樹

一

どこか遠くの方で、嬰児の泣く声がする。平次郎は、夜具の中で、ふと、数年前に死んだお吉と自分との間にできた――亡き児の声を思い出した。

「……似ている」彼はぞっとした。

嬰児の泣き声は、地の底からするように聞えた。――また、ともすると、手斧の刃で、ぱんと、後頭部を一撃に斬って殺したお吉の亡霊が、血みどろな顔をして、自分と共に、この家に帰ってきているような気がしてならない。

(――ゆるしてくれ)必死に叫んだと思ったら、それは夢だった。