Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
おしまいなされたのじゃ」
「……あ、じゃあおれが手斧でたたっ斬ったと思ったのは」
「雨樋じゃ、それを、わたしと思うて、勘ちがいしていたのでござんしょう」
「……ウウウ……そ、そうだったか」肚の底からうめきながら、平次郎は初めて、人間らしい眼が開いた心地がした。
六
すべてが自分の心から映して、心を恐怖させたり、呪わせたりしていた錯覚だった。
水に映っていた形相の悪い影だった。
平次郎は、水に返った。まだ澄みきったそれにはなれないが、本来の性が心の底から湧きあがって、
「すまない……お吉……すまなかった……」
両手をついて、自分の妻へいったのである。お吉は、夫婦となってから、初めて良人の口から、こんな真実の声を聞いた。
「あれ……勿体ない」良人の手をすくい取って、
「女房に向って、すむもすまぬもござんせぬ。その詫びなら、なぜ、わたしよりも、御仏さまへいうては下さいませぬか」
「? ……」平次郎は、唖のように、黙ってしまった。慚愧にふくれあがっている額の青すじが、彼の性格の中でありありと苦悶していた。
「のう、お前さま」お吉は、今こそ、良人の年来の気もちをここで一転させようとするのだった。