Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
「いそげよ」門の外へ出ると、範綱は、鞍の上から再びいった。
あぶみの側へ寄って、馬と共に駈けながら、箭四郎が、
「お館様」
「なんじゃ」
「世間へ仮病が知れても大事ございませんか。裏道を通りましょうか」
「それには及ばん」
「して、お行く先は」
「仙洞――」さては参内であったのかと彼は初めて気がついた。仙洞というのは、後白河法皇の離宮である院の別名なのである。六条からはそう遠くはない。しかし本道の五条大橋を越えてゆくと、橋の東に小松殿の薔薇園があり、その向い側には入道相国の六波羅の北門があって、その間を往来するのはいつも何となく小気味がよくないし、肩身の狭い気がするのであった。
わけても、今日は主人が何かつよい決心を眉宇にもって、にわかに参内するらしい途中でもあるので、箭四郎はいそげといわれながら、道を迂回して、三条の磧から仮橋を越えて、十禅師の坂へかかった。
「箭四」
「はい」
「きょうは、たしか二日じゃの」
「六月二日でございます」
「…………」範綱は、時刻を考えるように、陽を仰いだ。陽はずっと加茂川の末のほうへ傾いている。
「駈けるぞ」一鞭あてると、箭四郎は坂道にとり残された。