Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
そのあげく、子は死んだ。お神札だの、お水だの、仏壇だの、なんだの、すべては彼の眼に忌わしく見える物を、一抱えも持って行って、溝川へ芥のように打ちすててしまった時に、平次郎は、
「――笑わかしゃアがる、これで罰があてられるものならあててみろ」と、天へ向って罵った。
それからは、
(神だと、仏がだと、ふふん……)彼の性格は、また信念は、そうなってしまった。
誰にだって、彼は、そう信じていることでは、退かずにいい争ったものである。――だが、親鸞だけは、さっきから、なんとなくべつもののような気はしていた。
七
「――いってください、後生です。女房へ下げるその手を、どうして御仏さまには下げられないのでござんすか」
「お……お吉」
「いってくれますか」平次郎は、突っ張っていた肩を、がたっと落して、
「……いう、いう……」と、顔をおおった。
「オオ、お前様」お吉はうれしさに、われを忘れて、良人の手を引っ張った。
二人は、かがやく灯へ向って、並んで坐った。善光寺如来の分身が、新らしいお厨子の内に、皎々と仰がれた。
平次郎は、ふと、羞恥むように、妻のほうを見てたずねた。
「……だが女房、なんというて、お詫びをいうたらよいのか」