Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
「さればさ、寺でも、困っておるらしい」
「その困り者へ、眼をつけて、はるばる奥州路から年ごとの鞍馬詣では……。ははあ、読めた」小膝を打って、
「――奥州平泉の豪族が、奢り振舞う平氏の世を憎んで、やがて源家へ加担の下地でなくて何であろう。これは、世の中が、ちと面白くなりそうだの」それには答えないで、
「おや」吉次は、空を仰向いた。ポツ、と雨が顔にあたる。
加茂の水には、小さな波紋へ、波紋が、無数に重なった。東山連峰の肩が、墨の虹を吐き流すと、蒼空は、見るまに狭められて、平安の都の辻々や、橋や、柳樹や、石を載せた民家の屋根が、暮色のような薄暗い底に澱んでゆく。
「ひと雨来るな」文覚も、立ちあがって、
「弥太。――いや奥州の吉次殿、して、宿は」
「いつも、あてなしじゃ。塒を定めぬほうが、渡り鳥には、無事でもあるし……」
「高雄の神護寺へ参らぬか」
「いや、さし当って、日野の里まで参らねばならぬ」
「日野へ。何しに?」
「遮那王様のお従姉がいらせられて、いつも、鞍馬へのお言づてを聞いてゆくのだ」
「はて、誰だろう?」
「また、会おう。――そのうちに」
「うむ、気をつけて行くがいいぞ」