Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
範宴は、不安になった。
寝床へ入っても、範宴は、眼をぱちぱちさせていた。夜半ごろから、窓の小障子に、さらさらと雪のさわる音がしていた。
範宴は、起きだして、そっと庫裡の方へあるいて行った。雨戸のない濡れ縁には、雪がまるく溜っていた。
慈円僧正は、未明のうちに、脚絆をつけて身支度を済ましていた。供に従いて行く者と、後に残って見送る者とが、山門の両側にならんで、列を作っていた。
夜来の雪は、明け方にかけて、風を加えて降りしきっている。僧正は、笠のふちに手をかけて、
「さらば――」と、一同へ訣別を告げた。
三人の弟子は、かいがいしく身をかためて、師僧の供について歩きだした。すると、山門を降りた所の木蔭から、思いがけない範宴が、藁沓をはき、竹の杖を持って、ふいに横から出て、供の僧のいちばん後に尾いてあるきだした。弟子僧たちは驚いて、
「おや、おまえは、どこへ行くつもりだね?」
「叡山へ、お供して参ります」
「冗談じゃない。叡山というところは、お小僧なぞの行けるところではなし、また、掟として、年端もゆかぬ者や、入室して、半年や一年にしかならぬ者の登岳はゆるされぬ」