Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
「あ――」吉次も、その前に、足をとめていたのだった。
二人とも、呼吸をのんだ。そこの大銀杏から小半町先の一廓いに、館構えが見え、古びた殿作りの屋根が、墨で刷いたように、赤松の梢と、築地の蔭に、沈んでいる。それはいい。
それはさっき河童がいった有範朝臣の館にちがいないのである。しかし、二人は、そのほかに、異なものを見たのであった。
異なものというのは、そこを曲がった途端に、眼を射た光である。およそ、夜といえば、光に乏しい世界に住んでいる人間にとって、光ほど、尊く、有難く、また、妖しく考えられるものはなかった。
その光だった。白い虹といおうか、彗星の尾のような光が、有範朝臣の屋の棟とおぼしい辺りから燿々と映して、二人が、(あっ?)といった間に、眼を拭ってみれば、何事にも思えない元の闇なのであった。
「見たか、お前も」
「見た」と、答えて、河童は急に、
「小父さん、おら、ここで帰るよ」尻ごみをした。
「ご苦労だった」吉次は、銭を与えて、
「――今の光ものを、お前は何だと思う?」
「わかんない」
「俺にもわからぬ。ふしぎなこともあるものだ」
「皆んなに、話してやろう」
「こらこら、うかつなことを、言い触らしてはいけないぞ」