Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
「ありがとう存じます」
「まさか、このまま、お発足のおつもりではございますまいが」
「いや」と、範宴はゆうべから悶えていた眉を苦しげに見せていった。
「……養父の顔も見たし、弟にも会いたしと、昨日は、愚かな思慕に迷って、一途に養父の住居を探しあるきましたが、昨夜、眠ってから静かに反省みて恥かしい気がいたして参りました。そんなことでは、まだほんとの出家とはいわれません。僧正もお心のうちで、いたらぬ奴と、お蔑みであったろうと存じます。いわんや、初歩の修行をやっと踏んで、これから第二歩の遊学に出ようとする途中で、もうそんな心の弛みを起したというのは、われながら口惜しい不束でした。折角のご好意、ありがとうぞんじますが、養父にも弟にも、会わないで立つと心に決めましたから、どうぞ、お引きとり下さいまし」
「さすがは、範宴御房、よう仰せられた。――それでは、その辺りまで、お見送りなと仕ろう」
衛門は、先に立って、青蓮院の長い土塀にそって歩きだした。そして、裏門の方へと二十歩ほど、杉木立の中を行くと、小やかな篠垣に囲まれた草庵があって、朝顔の花が、そこらに、二、三輪濃く咲いていた。