Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
「何をするんだッ、そんなに、私が憎いかっ。殺せ」
「気ちがいめ」
「さ、殺せ」いいつつ、男の胸ぐらへつかみかかって、
「そのかわりに、私一人じゃ死なないぞ。この浮気男め、薄情者め。口惜しいっ」
範宴も、これには手を下しかねた顔つきで、眺めていた。しかし、抛っとけば限りもないので、
「止めてやれ」と、性善坊にいうと、
「こらっ」彼は、まず男のほうを隔て、
「やめぬか、まさか、仇同士でもあるまい」
「仇より憎い」と女はさけんだ。
それからは油紙に火がついたように、男のざんそを人前もなく喋舌り立てて、男が自分を虐待して、ほかで馴染んだ売女をひき入れようとしていることだの、この家が貧乏なために、自分が持ち物を売りつくして貢いだのと、あらゆる醜悪な感情をおよそ舌のつづく限り早口でいった。
さすがに、間がわるくなったと見えて、烏帽子師の男は、青白い顔して、うつ向いていた。
そして今になってから、気がついたように、範宴へ、
「どうも相すみません」と、いった。
「あなたの内儀ですか」と性善坊が口を入れた。
「いいえ、でき合って、ずるずるに暮している萱乃という女です。けれど、萱乃のいうような、そんな、私は悪い男じゃないつもりです」