Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
と柿売りの男を、横から突く。
「てめえの家の餓鬼か。この悪戯のために、雨漏りがして、どうもならぬゆえ、懲らしめてくれたのが、何とした」
「雨が漏るのは、古家のせいじゃ、自分の子を、打て」
「打ったが、悪いか」と、またなぐる。子どもは泣き喚く。
「女と思うて、馬鹿にしくさるか」と、子どもの母親は、柿売りに、むしゃぶりついた。
親同士の喧嘩になって、見物は蠅のようにたかってくるし、駅路の馬はいななくし、犬は吠えたてる。性善坊は、探しあぐねて、
「お師様あ」と呼んでみたが、そこらの家の中に、休んでいる様子もない。
木津の渡船で、すこし、うるさいことがあったので、宿の辻で待ちあわしているようにと、自分は、一足後から駈けつけてきたのであったが――。
ここに見えないとすると、もう奈良も近いので、あるいは、先へ気ままに歩いて、奈良の口で待っているおつもりか?
「そうかも知れない」性善坊は、先の道へ、眼をあげながら、急ぎ足になった。
その足もとが、鶏に蹴つまずいた。埃をあげて、鶏が、けたたましく、往来を横に飛ぶ。
宿場を出ると、やがて、相楽の並木からふくろ坂にかかった。その埃の白い草むらに、