Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
「あ……これは」と範宴は、あわてて頭を下げて謝った。蒲団のうえに坐りこんで、こっちを見つめているのは、似ても似つかない男なのである。
年ごろ二十四、五歳の、色浅ぐろい苦み走った人物であった。鷹のように精悍な眼をして、起きるとたんに右の手には、枕元にあった革巻の野太刀を膝へよせていた。野武士の着るような獣皮の袖無しを着、飲みからしの酒壺が、隅の方に押しやってある。
「失礼いたしました。人違いをして、お寝みのところを」と詫び入ると、男は、
「なんだ、坊主か」と、口のうちでつぶやいて――
「誰をたずねてきたのだ」
「身寄りの者が、この木賃にわずろうていると聞きましたので」
「それじゃ、若い女を連れている小伜だろう」
「はい」
「隣だよ」無造作に、顎で板壁を指して、男はまた、蒲団をかぶって、ごろりと横になってしまう。
「ありがとうございました」すぐ足を移して、隣を見ると、そこには、破れた紙ぶすまが閉めてある。
「ごめん……」と今度は念を入れて、範宴は小声におとずれた。
七
けさ、法輪寺川のほとりで会った梢が、声をきくとすぐそこを開けて、
「お兄さんが見えましたよ」と、病人の枕へ、顔をよせて告げた。