Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
「この附近にも、野盗が横行するとみえますな」
「いや、どこか、他国の者らしいのです。私が、声をかけると、賊は、よほど大胆なやつとみえて、驚きもせず、おれは天城四郎という大盗だとみずから名乗りました」
「えっ、天城四郎ですって?」
「ごぞんじですか」
「聞いています。どこの街道へもあらわれる男で、うわべは柔和にみえますが、おそろしい兇暴な人間です」
「――と思って、私も、怪我をしてはつまらないと思い、わざとていねいに、ここは清浄な仏地であるから、ここで悪業をすることだけはやめてくれと頼みますと、天城四郎はせせら笑って、さほどにいうならば、まず第一に、醜汚な坊主どもから先に追い退けなければ、仏地を真の清浄界とはいわれまい。坊主が、偽面をかぶって醜汚な行いをつつんでいるのと、俺たちが素面のままでやりたいと思うことをやるのと、どっちが、人間として正直か――などと理窟をならべるのです。これには、私もちと返答にこまりました」
「そして……どうしました」
「理窟はいうものの、やはり、賊にも本心には怯むものがあるとみえ、それを捨て科白に、ふたたび、女を引っ張って、どこへともなく立ち去りました」