Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
けれど、範宴のこころに、その数行の文字は、決して偶然なものには思えなかった。七日七夜、彼が死に身になって向っていた聖徳太子の御声でなくてなんであろう。自己の必死な思念に答えてくれた霊示にちがいないと思った。闇夜に一つの光を見たように、範宴は、文字へ眸を焦きつけた。わけても、
汝の命根まさに十余歳なるべし
とは明らかに自分のことではないか。指をくれば、かぞえ年二十一歳の自分にちょうどその辞句は当てはまる。しかも、
命終りて――
とは何の霊示ぞ。迷愚の十余歳は、こよいかぎり死んだ身ぞという太子のおことばか。
「――日域は大乗相応の地たり……日域は大乗相応の地たり。ああ、この日の本に、われを生ましめたもうという御使命の声が胸にこたえる。そうだ……自分はゆうべ、法印へ向って、死の気もちがあることまで打ち明けた。太子は、死せよと仰っしゃるのだ。そして迷愚の殻を脱いだ誕生身に立ち回って、わが教令を、この日の本に布けよと自分へ仰っしゃるのだ」
もう、戸外には、小禽がチチと啼いていた。紙燭の蝋がとぼりきれると共に、朝は白々とあけて、御葉山の丘の針葉樹に、若い太陽の光がチカチカと耀いていた。