Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
太夫房覚明は、あたりの草むらや樹蔭をなお入念に見まわしながら、
「いずこの房の者か、卑怯な法師輩じゃ、学問の上のことは、当然、学問をもって反駁するがよいに、公の講堂では論議せずに、暴力をもって、途上に、範宴どのを要して、無法なまねをいたすとは、仏徒のかざ上にもおけぬ曲者、まだどんな、卑怯な振舞いをせぬとも限らぬ、一乗院まで、お送りして進ぜよう」
そういって、彼は先にあゆみだした。その足ぶみや、物腰には、どこか武人らしい力があって、
「おそれいりまする」といいつつも、範宴は心づよい気がして、彼の好意に甘えて後ろに従いて行った。
それにしても、太夫房覚明などという名は、この叡山でも南都でも聞いたことがない、いったいこの人物は何者なのだろうかと考えていた。
六
やがて無動寺の一乗院へたどりついた。その間に、太夫房覚明と性善坊とは、範宴を先に立ててかなり親しく話していたが、一乗院まで来ると、
「どうぞ、幾日でもお泊りください。師の房も、あのように無口なお方ではございますが、決して、お気がねなさるようなお人ではございません」性善坊はしきりと覚明をひきとめていた。