Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しんらん

親鸞

吉川 英治

Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate

Aozora Bunko

御簾を拝して、範宴は、退がろうとした。すると、

「ちと、待とう」と基通がいった。伝奏から、

「御下賜」とあって、檜皮色のお小袖を、範宴に賜わった。

範宴は、天恩に感泣しながら、御所を退出した。

牛車の裡に身をのせてから、初めて、ほっと心が常に返った。肌着にも、冷たい汗が感じられる。

「ああ、危ういことであった」しみじみと思うのである。

もし、きょうの使命をし損じたらどうであろう。堂上たちのあの空気では、恩師の流罪もあるいは、事実として現れたかもしれない。

女色だの、食物だの、生活のかたちは、僧は絶対に俗の人と区別されているけれども、政権の中にも僧があるし、武力の中にも僧の力がある、あらゆる栄職や勢力の争奪の中にも、僧のすがたのないところはない。

もともと一笠一杖ですむ僧の生涯に、なんで地位だの官位だのと、そんなわずらわしいものを、求めたり、持たせられたり、するのだろうか。

それがなければ、法門も、少しは浄化されるだろうに。衣食や女人ばかり区別しても、根本の生活行動が、政治や陰謀や武力と混同してあるいているのでは、何にもなるまい。

「だが……」と範宴は、自分を省みて、自分のすがたに恥じないでいられなかった。