Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
「あ、ご無礼いたしました」
「かように広い道を、しかも、人も通らぬに、何で邪魔な所に立っているか、うつけた男じゃ」
「実は、手前はこよい関東の方から、初めて京へ参ったばかりの田舎侍で、道にまようて、ぼんやりと、考えていたもんですから」
「退け退け」
「はい、退きますが、少々ものをおうかがいいたす」と四郎は初めて、二、三歩身をうごかして、一人の公卿侍のそばへ寄って頭を下げ、
「鳥羽へ参るには、どの道をどう参ったらよいでござろうか」何気なく方角を指さして教えていると、四郎は、その侍が胸に革紐でかけている小筥をいきなりムズとつかんで、奪りあげた。
「あっ、何をする!」と叫んだ時は、すでに彼の影は輦から九尺も跳んでこっちを見ながら、
「欲しくば、奪り回せ」と、筥をさしあげて見せびらかした。
供の家の子たちは仰天して、
「おのれ、それには、今日の御所の御宴で、姫君がさるお方からいただいた伽羅の銘木が入っているのじゃ、下人などが手にふれたら、罰があたるぞ、返やせ、返やせ!」
「はははは、ちっとも、罰があたらないからふしぎだ」
「おのれっ」
松明が飛ぶ――
ぱっと火の粉を浴びながら四郎は駈けだした。