Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
金色の仏具などもない。
ただ、畳台を一じょう、少し奥のほうへ引き下げて、古びた経机を一つ置き、それを前に、法然は、坐っているのである。朽葉色の衣に白い木綿を下に着て、そう高くはないが、よくとおる声で「念仏往生義」の心を、子どもにも、老人にもわかる程度に、噛みくだいて話しているのであった。
「ウーム……」範綱は、何を感じたのか、宗業の耳のそばで、うめいていた。やがて宗業へ、
「あの僧、なるほど、異相をそなえておる。……慈円僧正は、さすがに、お眼がたかい」と、ささやいた。
兄は、相学に造詣があるので、そういわれてから、宗業も法然の横顔に注意を向け直した。見るとなるほど、なか凹高な頭のかたちからして、凡僧とは異っているし、眸が、眉毛の奥に、ふかく隠れこんで、烱々と、射るものを、うける。坐ながらにして、社会の裏まで、人類の千年先までを見とおしているような、怖い光にも見えるし、ふとまた、そこらにいる赤子にでも慕われそうな、やさしい眼ざしに、思われる時もある。
疑われるなよ人々
浄土はあり、浄土はやすし
源空が、九年の苦学に
得たるは一つにそうろう
ただ念仏往生の一義に
候なり