Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
と、声なくいってみるだけでも幾らかの苦悶のなぐさめにはなる気がしたが、とたんに、自己のすがたを振向いて、聖光院門跡範宴という一個の人間を客観すると、
「ああ……」手を顔におおって潸然と御仏のまえに罪を謝したくなる。
つよい慚愧と、自責の笞に、打って打って打ちぬかれるのだった。誰か、杖をあげて、
(この外道)と肉の破れるほど、肉体がいまわしい空想や欲望を抱く知覚を失ってしまうほど、打ちすえてくれる人はないものかと思う。
彼は、泣いて、仏陀のまえへ走った。そして、ほとんど狂人のようになって誦経した。また、一室にこもって凝坐した。
(だめだ)脆くも、そういう叫びが雑念の底からもりあがる。
磯長の太子堂に、叡山の床に、あの幾年かの苦行も今はなんの力のたしにもならなかった。瞼をとじれば瞼の中に、心をしずめればその心の波に、空を仰げば空の藍の中に、玉日の姿が見えて去らない。
「いっそ、僧正におうち明けして、僧正のお叱りをうけようか」とも考え、また、南都の覚運僧都のもとへ行って、ありのままに訴えてみようかとも幾たびか思い悩んだが、聖光院の門跡という地位がゆるさないことだし、彼自身の性格としても、自分の力で解決しなければならない問題だと思うのであった。