Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
彼の身辺のそうした静けさは、ちょうど颱風の中心のように、いつ破壊と暗黒が襲ってくるかわからない不気味な一刻に似ていた。
突然にいい出されたので、扈従の人々は狼狽した。その範宴が、室を出ていったのである。
「きょうは黒谷の上人のもとへ参ろうよ」と。坊官たちは、
「えっ、ただ今?」思わず問いかえした。
「うむ」つよく顎をひいていう。
問い返すまでもないことだった。範宴のすがたを見ると、白絹の法衣に白金襴の袈裟をかけ、葡萄のしずくを連ねたような紫水晶の数珠を指にかけていた。その数珠は、母の吉光の前の遺物であり、白金襴の袈裟は、このまえ師の慈円僧正に対する堂上の疑惑をとくために参内した折に着けたもので、めずらしくも、正装しているのである。
民部も、覚明も、性善坊も、師の装いに倣って、あわただしく身仕度した。
階前には、稚子たちがそろう。牛飼は、小八葉の新しい輦を、車寄にひきだしていた。
三
吉水の丘はちょうど花頂山の真下にあたっている。ひところの黒谷の草庵はあまりに手狭なのでいつの年かここに移ってこられたが、その当時のまま世間では黒谷の上人といっている。そこに法然はもう三十年以上も住んでいた。