Classici giapponesi con furigana
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しんらん
親鸞
吉川 英治
Leggi 親鸞 (しんらん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 566.138 caratteri · 1127 schermate
あなたの歩いてきた道は、わたくしも通ってきた道だ。風波と戦うばかりが彼岸の旅ではありません。――しかし、よくそこまでやられた。自力難行の従来の道にある人が、いちばん怠っているその自力を出すことと難行を嫌うことでした。それへあなたは真向にぶつかって行った。そして当然な矛盾につき当ったのです。けれど、今の突き当った境地こそ実に尊いものであります。誰がここ数百年の間、それへ突きあたるまでの難路を歩んだでしょうか。あなたのような人こそ、まことに法然の知己だ、法の友だ、この後とも、どんなご相談にもあずかりましょう」上人は手をのべて、範宴の手をとった。
「ありがとう存じます」範宴は、瞼をあつくした。上人のあたたかな手を感じると、勿体なさに、体がすくむのであったが、いつかは会う約束の人に会ったのである。この手は、自分が結んだのでも上人が結んだのでもない、御仏が、こうして結ばせているのであると思って、にこと笑った。上人もほほ笑んだ。
範宴の笑顔からは、ぱらぱらと涙がこぼれた。涙は、随喜の光だった。
*
半日も、上人と二人きりで話していた範宴は、やがて室を出て、禅房の入口にすがたを見せると、自分のつれてきた供の人々をそこへ呼び入れた。